はじめに:Web制作会社のキャッシュフロー課題とは?
Web制作会社は、売上規模にかかわらずキャッシュフローに関する悩みを抱えることが少なくありません。特に、単発の案件が多く、プロジェクトの受注から入金までの期間が長いことが原因で、「黒字倒産」のリスクにさらされるケースもあります。
キャッシュフローの悪化要因として、以下のような特徴が見られます:
- プロジェクト単位での原価管理が不十分
- 見積や請求のタイミングが遅れがち
- 継続収益モデルが確立されていない
- 売掛金の回収条件が緩く、入金まで時間がかかる
その結果、利益は出ていても「現金が足りない」という状態に陥りやすいのです。
本記事では、Web制作会社のキャッシュフロー改善に役立つ具体的な方法を、税務・会計のプロの視点から解説します。
資金繰り表とキャッシュフロー計算書の活用
資金繰り表とは?
資金繰り表は、将来の入出金を一覧化し、一定期間の現預金の増減を把握するためのツールです。月単位・週単位での資金状況を可視化することで、支払いタイミングや資金ショートのリスクを事前に察知できます。
キャッシュフロー計算書の3区分
キャッシュフロー計算書は、以下の3つの区分から構成されます:
- 営業活動によるキャッシュフロー
- 投資活動によるキャッシュフロー
- 財務活動によるキャッシュフロー
特にWeb制作会社では、「営業キャッシュフローがプラスであるか」を重視すべきです。事業運営で得られる現金が安定していなければ、いくら利益が出ていても経営は不安定になります。
Web制作会社ならではの改善戦略
① 案件単位での利益可視化
Web制作の多くはプロジェクト単位で行われます。よって、各案件ごとの工数、外注費、素材費、人件費を明確にして「案件別の採算性」を把握することが重要です。
工数×想定時給制を導入し、「この案件はどのくらい利益を生んだか?」を毎月分析することで、赤字案件を防止しやすくなります。
② 見積・請求業務の効率化
見積や請求書の発行が遅れると、入金も遅れます。請求漏れや入力ミスはキャッシュフローを直撃するため、ツールを導入して請求業務の自動化・早期化を図りましょう。
例:Misoca、MakeLeapsなどのクラウド請求ツール
③ 継続収益モデルの導入
保守運用・CMS更新・サーバーレンタルなど、毎月一定の収益を生むサービスを強化することが重要です。売上が安定すれば、キャッシュフローも安定しやすくなります。
キャッシュイン/アウトの具体改善施策
① 前払い型の契約への転換
初期費用+月額制、分割請求など「前払い方式」の契約形態を増やすことで、資金の先回収が可能になります。制作着手時に一部入金を求めるなど、契約時点で明確に定めましょう。
② 売掛金の早期回収
- 請求タイミングを前倒し
- 納品後即日請求のルール化
- ファクタリングの活用による売掛金現金化
ファクタリングは信用調査や手数料がかかるため慎重な判断が必要ですが、資金が急に必要な際は選択肢となります。
③ 外注費・支払サイトの見直し
支払先との契約条件を見直し、支払サイト(支払までの猶予期間)を延ばすことで、資金繰りに余裕をもたせることができます。ただし、信頼関係を損なわない範囲での交渉が前提です。
経理業務の効率化と属人化排除
クラウド会計(freee、マネーフォワード等)を導入することで、記帳業務の自動化・リアルタイム化が可能となります。
税理士と連携し、月次試算表を迅速に把握できるようにすることで、異常値や収支のズレを早期に察知できます。経理担当者の退職や属人化による業務停滞を防ぐ効果もあります。
導入事例:キャッシュフロー改善の成功パターン
あるWeb制作会社では、以下の施策を通じて大幅な改善に成功しました:
- 案件ごとの原価と工数管理を徹底し、赤字案件を排除
- 契約書に「着手金50%、納品後50%」の記載を追加し、前倒し入金
- 月額5万円の保守契約を20社と締結し、継続収益化
- freeeを導入し、資金繰り表を月次作成
これらの実践により、営業キャッシュフローは黒字化し、運転資金の融資依存度を下げることができました。
税理士の役割と選び方
資金繰りやキャッシュフローの相談は、通常の税務申告だけを行う税理士では不十分な場合があります。以下のような支援ができる税理士を選ぶと安心です:
- 資金繰り表やキャッシュフロー計算書の作成支援
- 業種特有の財務分析(Web業界に詳しい)
- 銀行融資や補助金の活用支援
税理士法人エール名北会計では、国税OBや公認会計士が在籍し、実務に即した改善提案を行っています。
今すぐできる初手チェックリスト
1つでも「×」がある場合は、改善余地があります。
まとめと次のステップ
キャッシュフローは、企業の“血液”とも言える存在です。Web制作会社は特に受注型ビジネスであるがゆえ、計画的な資金繰りと利益管理が重要です。
「利益があるのに現金がない」「次の支払が不安」と感じたら、それは改善のチャンスです。経営者として適切なアクションを取り、健全な経営基盤を築いていきましょう。
税理士法人エール名北会計からのご案内
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