Instagramを活用して副収入を得る人が年々増えています。企業からのPR案件やアフィリエイト、さらにはInstagramリールの収益化など、フォロワーの増加に応じて「ちょっとしたお小遣い」が発生するケースも少なくありません。
しかし、副業として得た収益は、原則として課税対象です。たとえ1件数千円の報酬であっても、確定申告が必要になる場合があります。
月数万円の振込が「雑所得」扱いになる?
会社員の副業でInstagramを使ったPR投稿やアフィリエイトから収入を得る場合、その多くは「雑所得」に区分されます。
例えば、ある月にPR案件で5万円、アフィリエイト報酬で3万円の収入があった場合、それらの合計(8万円)が収入となります。ここから必要経費を差し引いた金額(=所得)が20万円を超えると、確定申告が必要です(※給与所得が1か所のみの会社員の場合)。
商品提供・現物支給も「収入」に含まれる理由とは
注意が必要なのは、企業からの「現物支給」や商品提供も、金銭と同様に課税対象となる点です。たとえば、市場価格1万円の化粧品セットを提供された場合、その1万円分も「収入」として計上しなければなりません。
これは国税庁のガイドラインにも明記されており、「経済的利益の供与」として扱われます(出典:国税庁『所得税基本通達』)。知らずに申告漏れとなると、ペナルティの対象になる可能性もあります。
Instagramでの副業収益は、現金だけでなく現物も含めた「収入全体」で判断されることを理解しておくことが重要です。
会社員でも確定申告が必要な条件とは?知らないと損する基礎知識
副業が注目される昨今、InstagramなどのSNSを活用した収益化も一般的になりました。しかし、会社員であっても副業収益が一定額を超える場合、確定申告が必要になります。
「年間所得20万円以上」で確定申告義務
会社からの給与収入が1か所のみの会社員で、副業による所得(=収入−経費)が年間20万円を超えると、確定申告の義務が生じます。
ここで重要なのは「収入」ではなく「所得」で判断されるという点です。たとえば、副業収入が年間50万円あっても、経費が35万円かかった場合、所得は15万円となり、申告義務はありません。しかし、経費が少なく、所得が20万円を超えると対象になります。
この20万円のラインは意外と低く、少しずつ副業が軌道に乗ってきた段階で該当することが多いため、注意が必要です。
「収入」ではなく「所得」で判断する重要性
副業の収入が大きくても、必要経費を適切に記帳していれば、所得が少なく申告不要になるケースもあります。逆に、経費をきちんと記録していないと、税務署に認められず、思わぬ納税義務が生じることも。
したがって、副業の開始時から、収入と経費を分けて記録し、帳簿を整える習慣を持つことが重要です。後述する「青色申告」の制度を活用することで、節税効果を高めることも可能です。
副業が会社にバレないようにするための住民税対策(普通徴収)
「副業が会社にバレるのが心配」という方も多いのではないでしょうか。実は、確定申告時に選択する「住民税の徴収方法」によって、副業が本業の勤務先に知られるリスクを軽減できます。
会社員の住民税は通常「特別徴収(=会社経由で天引き)」となっていますが、副業分の住民税については「普通徴収(=自分で納付)」を選ぶことで、本業の給与と副業収入が混ざるのを防げます。
確定申告書の「住民税に関する事項」で「自分で納付(普通徴収)」を選択するだけで対応可能です。これにより、副業の収入が会社側に伝わるリスクを低減できます。
ただし、市区町村によっては普通徴収を認めないケースもあるため、事前に確認しておくと安心です。
インスタ副業で計上できる経費とは?プライベートとの境界線に注意
副業で収入が発生するようになると、節税のために「経費」を意識することが大切です。ただし、Instagramを利用した活動では、プライベートとの境界線が曖昧になりやすいため、正しく理解して経費計上することが求められます。
経費になるもの(通信費・機材・撮影費用など)
インスタグラマーとして発信するために必要な支出は、事業の経費として認められる可能性があります。たとえば:
- 撮影用カメラ・スマホ・三脚などの機材費
- 編集用ソフト・アプリの利用料
- インターネット回線・スマホ通信費(按分計算)
- 撮影のための交通費・スタジオ利用料
- 撮影用に購入した衣装や小道具(投稿内容に反映されている場合)
いずれも、「副業収益を得るために必要だったこと」が明確であれば、経費として計上できます。
グレーゾーンな支出(カフェ代・化粧品・衣装など)の考え方
経費として認められるか判断が分かれやすいのが、以下のような支出です:
- カフェでの撮影時の飲食代
- 美容室やネイルなどの美容費
- メイク用品・化粧品の購入費
これらは、投稿の目的や内容、頻度、他の支出との関連性により「事業との関連性」が明確にされていれば一部経費と認められる可能性があります。ただし、完全なプライベート利用と混在している場合は、按分(事業用と私用の割合分け)が必要です。
たとえば、化粧品のうち事業目的で使用した割合が50%と合理的に説明できる場合、その50%分のみを経費とすることが可能です。
「按分」とは?税務署がチェックするポイント
按分とは、支出のうち事業用と私用の比率を適切に分ける処理のことです。Instagramの副業では、特に通信費・光熱費・家賃などが按分対象になりやすいです。
按分比率は「使用実態」に基づいて設定します。たとえば、通信費が月1万円で、そのうち副業での利用が全体の40%であれば、4,000円を経費と計上する形になります。
税務署は、この按分の根拠(使用頻度、投稿回数、業務内容)などを確認することがあるため、記録や説明の準備が重要です。
青色申告のススメ|副業でも使える65万円控除と赤字繰越の仕組み
Instagramでの副業が本格化してきたら、「青色申告」の活用が非常に有効です。副業でも開業届を提出すれば、青色申告の特典を受けることができ、節税につながります。
「開業届」と「青色申告承認申請書」はいつ出す?
青色申告を行うには、税務署に「開業届」と「青色申告承認申請書」を提出する必要があります。
- 開業届:副業を開始した日から1か月以内(遅れてもペナルティはありませんが、早めの提出が望ましい)
- 青色申告承認申請書:適用したい年の3月15日まで
提出することで、最大65万円の特別控除が適用可能となり、帳簿の整備などの要件を満たせば、課税所得を大幅に減らすことができます。
白色申告との違いを数字で比較
| 項目 | 白色申告 | 青色申告 |
|---|---|---|
| 控除額 | なし | 最大65万円 |
| 損益通算 | 不可 | 可能 |
| 赤字繰越 | 不可 | 最大3年可能 |
| 帳簿の種類 | 簡易簿記 | 複式簿記(クラウド会計で対応可) |
たとえば、副業所得が60万円あり、経費で20万円、青色申告控除で65万円使える場合、課税所得はゼロになります。
帳簿付けの基本|クラウド会計でラクになる方法
青色申告では「複式簿記」が求められますが、最近はクラウド会計ソフト(freee、マネーフォワードなど)の活用により、初心者でも対応が可能です。
銀行口座やクレジットカードを連携すれば、仕訳を自動化でき、帳簿作成・確定申告書類の作成まで一貫して対応できます。
会計ソフトの活用は、ミスの防止だけでなく、節税や事業拡大のためのデータ分析にも役立ちます。
よくある誤解とトラブル回避ポイント
副業での収益が増えてきた頃に、意外と多くの人が陥りがちな「勘違い」や「申告ミス」。これらは結果的に税務調査や追徴課税につながる可能性があるため、早めに把握しておくことが大切です。
「収入が少ないから申告不要」は危険な思い込み
副業で得た収入が年間数十万円であっても、所得(収入−経費)が20万円を超える場合、会社員であれば原則として確定申告が必要です。
「現金ではなく商品をもらったから大丈夫」「たった一件のPR報酬だから申告しなくても平気」などの誤解は、後に税務署からの指摘につながりかねません。
特に、税務署はSNSでの情報発信や報酬履歴などをチェックすることもあるため、油断は禁物です。
副業が会社にバレる一因「住民税の通知」
確定申告時に住民税の徴収方法として「特別徴収(会社経由)」を選んでしまうと、副業収入が本業の給与と合算されて会社に伝わってしまいます。
会社に副業を知られたくない場合は、「普通徴収(自分で納付)」を選択することが必須です。確定申告書の「住民税に関する事項」にあるチェック欄の記入を忘れないようにしましょう。
また、市区町村によっては普通徴収を希望しても自動的に特別徴収に切り替えるケースもあるため、事前の確認も重要です。
申告漏れで発生するペナルティとは?
確定申告を怠った場合、後に以下のような追加負担が発生する可能性があります:
- 無申告加算税:原則15%(場合により20%)
- 延滞税:年利7.3%(または特例で2.4%程度)
- 重加算税:仮装・隠蔽があれば最大35%
これらは本来納めるべき税額に上乗せされる形で請求されるため、金額が数十万円に膨れ上がるケースも少なくありません。
副業とはいえ、「収入が発生している」時点で税務上の義務が発生することをしっかり意識しておく必要があります。
[事例紹介]Instagram副業で青色申告を活用した成功事例
ここでは、副業としてInstagramを運用しながら青色申告を行い、実際に節税につながった仮想事例をご紹介します。
本業を続けながら副業で年60万円の収入を得たケース
- 氏名:Aさん(30代女性/本業は広告代理店勤務)
- 副業内容:Instagramでのファッション紹介、PR案件、アフィリエイト
- 副業収入:年間60万円
- 経費内訳:通信費按分(3万円)、衣装・撮影小道具(10万円)、撮影用機材(5万円)、交通費・スタジオ代(2万円)など、合計約20万円
所得:60万円(収入)− 20万円(経費)= 40万円
この時点で所得が20万円を超えるため、確定申告が必要になります。
青色申告の65万円控除で納税額ゼロに
Aさんは副業開始時に「開業届」と「青色申告承認申請書」を提出しており、帳簿はクラウド会計ソフトで整備。
結果、青色申告特別控除65万円を適用することで、所得40万円がまるごと控除され、課税所得がゼロとなり納税義務がなくなりました。
さらに、帳簿を残しておくことで、赤字が出た年度は3年間の繰越も可能。今後副業が拡大しても、過去の赤字で利益を相殺できる体制が整いました。
専門家への相談で安心感を得る
当初は「税理士に頼むほどの規模ではない」と感じていたAさんですが、経費や按分の考え方、帳簿の整備のしかたを相談したことで、申告内容の精度が上がり、結果的に不要な納税リスクやミスを防ぐことができました。
また、「副業がバレないように普通徴収で住民税を処理する方法」や、会社員としての立場を維持しながら副収入を得るポイントについても、個別アドバイスを受けられたことが大きな安心材料となりました。
副業インスタの申告は、税理士と進めると安心です
Instagramを通じて副業収益を得る人が増える中、「確定申告の方法がわからない」「経費がどこまで認められるのか判断できない」といった悩みを抱える方も多いのではないでしょうか。
税理士法人エール名北会計では、こうした副業インフルエンサーの皆さまにも対応可能な、確かな申告支援体制を整えております。
個人の副業でも対応可能|柔軟な相談体制
「副業で得ている金額が小さいから税理士に相談しにくい」そんな不安をお持ちの方でもご安心ください。エール名北会計では、年間数十万円〜100万円未満の副業収入を得ている方からのご相談も多く、
- 確定申告書の作成代行
- 経費の整理と按分サポート
- 青色申告の導入アドバイス
- 副業が会社にバレないための住民税対策
など、会社員の立場を理解したうえでの対応を行っております。
エール名北会計の強み
- 各税目に精通した国税OBが在籍し、法令に基づく正確な処理
- 公認会計士による業種特化支援(SNS運用や広告分野なども対応)
- 社労士法人との連携により、将来的な法人化も見据えた支援が可能
- グループ内にマーケター・デザイナーも在籍し、ブランド運用の相談も可
これにより、単なる申告代行ではなく、副業インスタ運用を「事業」として正しく整備し、成長させていくためのパートナーとして伴走いたします。
ご相談いただくことで、具体的な打ち手が見えてきます
「この支出は経費にできる?」「青色申告と白色、どちらが良い?」「今後法人化するにはどうしたら?」
こうした疑問も、対話を通じて整理し、あなたに合った最適な対応方法をご提案いたします。
副業インスタで確定申告を正しく行うための第一歩
Instagramでの活動が収益化し始めたら、それはもう「立派な事業」です。副業だからといって税務面の備えを怠ると、将来的に思わぬトラブルに発展することもあります。
まずは「自分の副業がどの程度の申告義務に該当するのか」を知ること、そして「何を経費にできるか」「青色申告の対象になるか」を整理することが大切です。
税理士法人エール名北会計では、こうした初期段階からのご相談に対応しております。単なる帳簿作成や申告の代行にとどまらず、あなたの副業のステージや目標に合わせた最適な対策をご提案します。
「副業収入が出てきたけど、どう進めればいいのか分からない…」 そんな時は、まず一度ご相談ください。具体的な打ち手が見えてきます。